社長メッセージ

働きやすい環境づくりをどうするか
一番は富士ゴムで働くすべての従業員が幸せになること

富士ゴム工業株式会社代表の漆畑兼久に、富士ゴム工業のミッションや目指すビジョンについてインタビューしました。富士ゴム工業株式会社が何を目指す会社なのかを知ってください。

企画・設計・開発から納入までの一貫した生産体制を保有し顧客の様々なニーズに対応する会社

ー富士ゴム工業株式会社について教えてください

弊社は、自動車用ゴム部品の製造業として株式会社SUBARUのティア1メーカーです。

1965年に設立し、現在では自動車用ゴム部品並びに樹脂部品を製造しています。

企画・設計・開発から納入までの一貫した生産体制を保有し、長年培ってきたノウハウを活かし顧客の様々なニーズに対応しています。

生産性・機能性・意匠性・品質など多岐にわたって顧客への提案をおこない共同開発に取り組んでいます。

引っ込み思案で消極的。自分を変えたいと思ってもなかなか簡単には変えられなくて

ー子供の頃どんなお子さんでしたか?

引っ込み思案で消極的な子供でしたね。小学校、中学校、高校くらいまでは本当に消極的で、それが自分でも嫌で嫌で自分を変えたいと思ってもなかなか簡単には変えられなかったですね。

生まれ育った環境の中で、自分の性格を変えるのは難しい。だから半ば諦めていたんです。

でも、大学受験の時にふと思ったんですよね。

「大学に入れば生まれ育った土地を離れ、新しい生活環境の中で暮らせられる。周りには今までの自分を知らない人ばかりだから、新しい自分で生まれ変われるんだ!」って。

大学入って「これまでの自分を変えよう!」と強い気持ちを持って受験に挑んで無事に合格。

そこから自分の性格をガラッと変えたんですよ。

だから、夏休みに田舎へ戻った時、同級生と飲む機会があって、その時にカラオケも行ったんですけど、

「漆畑、お前、歌を歌えるんか??大きい声出せるんか??」って私の事をよく知る同級生はみんなビックリしてましたよ。

とにかくそれまでの自分を変えようと思って大学に行ったので、新しい自分づくりをスタートさせたんだよね。

自分の家系図を分析してた時に「自分は将来、経営者になるな」と。

ーそんな自分が経営者になるとイメージしていましたか?

大学の時に、能力開発の本を読んだりリスニングのテープを聞いたり積極的に意識改革をしました。

我が家が元々質屋をやってたので、いずれは継がなければなと思ったんですけど、世の中の暮らしが裕福になってモノがあふれだしてきて質屋業界も下火になってしまい、父親の代で質屋の事業はやめてしまったんですね。

だから、継先がないとなると勤めしかないな。そう思って大学を卒業して会社に勤めたんだ。今の自分の原点となってるコンサルタント会社に入社することができた。そこで我が家の家系図分析を進めていく中で「自分は将来経営者になるな」というのがわかったんですよ。

入社した会社が「中小企業が倒産しないためのノウハウを持ってたコンサルタント会社」だったですが、そこの教育事業部に入って、いろんな教育実習やセミナーのスタッフでやってたんですね。

その様々なノウハウの中で、中小企業の経営に大きく影響する背景には、会社の経営を表とすると裏には家庭経営があり、相互に大きな相関関係があって。「これはすごいな!」と思いました。

コンサルタントとして企業分析をするために、クライアントとなる会社の経営者の家系分析をやるわけですが『コンサルをするためにはまずは自分自身の分析もやらないといけない。自分がやったこと以外は教えるな』という考えだったので、自分も自分なりに漆畑家の家系図を調べて分析をしていったんです。

家の継承者だとか男性の人たちが、一人一人がどういう仕事をやったかっていうところまで分析するんですが、その時、亡くなった人も生存する人も、男性を全部上げた時に、サラリーマンは私ともう一人しかいなかった。

みんななんらかの事業経営者だったんですよ。

そこで「なるほど、漆畑家は事業者の多い家系で経営者としてのDNAが代々伝わってきているんだな」と。

それが分かったのが29歳ぐらいでしたかね?

そこで、いつかは会社を経営することになるなと思っていましたね。

生きていく中で自分に縁のないことには出会わない

それで2015年に実際社長に就任して「やっぱり経営者になったな。分析は間違っていなかったな」っていう感じでしたね。

コンサルタント会社で経営のやり方だとか、人材育成のやり方だとか、会計・税務・監査業務だとか、事業の立上げとか、一通り経営の全般的なことはそこで学んできたり、そのような仕事に携わってきたことは、やっぱり自分の人生の流れがあるんだなと思います。

人生に起こることはすべて偶然ではなく必然で、生きていくの中で自分に縁のないことには出会わないっという感じですかね。

出会うからには何か自分にとって何らかの意味のあることなんだから、それをマイナスに考えるのか、プラスに考えるのか。

それはもう自分の生き方だからプラスに考えるしかない。だから嫌なことがあったり、辛いことがあったり「なんで俺がこんな・・」っていうこともありますけど、それは自分に対して、どういう成長していく一つの意味を持っているのかっていう考えが私の人生のベースとしてあります。

上手くいかないときや苦しいときは、新たな力を身につける一つのチャンスだと思うから、常にポジティブにプラスに考えていきたいですよね。

働きやすい環境づくりをどうするかっていうのが一番大事

ー経営者として大切にしていることは何ですか?

大切にしてることは、まずは「自分の健康」

あとはやっぱり、従業員の人たちなんですけど、働きやすい環境づくりをどうするかっていうのが一番大事にしていますね。

働きやすいっていう環境づくりもそうだし、一年間仕事を頑張ってもらって、それに見合う報酬をできるだけ多く払いたいっていうのがあって。

やっぱり従業員が安全に仕事ができて、一人一人が健康で、みんなで一丸となって仕事の成果を出していく。そこに一番重きを置いているというか、それが富士ゴムとしてのベースになっています。

富士ゴムがしっかりしてないと、外注先に対しても仕事を出せないとか出てきますし、そういう風になってしまうのは会社として良くはない。だから、そういう点では従業員も外注先も含めて「富士ゴムファミリー」っていう考えでいますね。

今後どうすればいいかっていうのを毎日のように考えてたコロナ禍

ー会社を経営してきた中で最大の挫折体験はありましたか?

それはやっぱりコロナの時。当時は本当に今後どうすればいいかっていうのを毎日のように考えていました。

コロナの始まる2020年の4月あたりから、ロックダウンっていう話があった時に、コロナはすぐ収まらない。一年、二年続くんじゃないかって思ってたので余計に考えてしまっていましたね。

それに追い打ちをかけるように半導体部品の問題も重なり。部品が全然来ないから仕事が出来ない状況が続いてました。

あの時が一番気を使ったし、会社的にも厳しかったですね。

当社の場合は、スバルさんに合わせての操業になるので、スバルさんがストップすれば、工場自体もフル稼働させることもできず、週2日くらいはストップせざるを得なかった。

会社として従業員の皆さんの生活を守るために

ーその困難をどのように乗り越えましたか?

休業が増えることで、従業員が離れてしまうんじゃないか?という不安が大きかったです。

従業員にしても、工場が回せず休業で仕事を休んでると、中には他に転職しちゃう人もいるだろうと。

だから、正直厳しい状況ではありましたが「給料は100%保証する」と決めて、全社員100%給料の保証をしました。

当時、他の会社では、給料の保証はしないとか、しても80%までしか保証しない会社もありましたけど、そこは従業員に離れてほしくないので、100%給料を保証することを第一に考えましたね。

生きていく中で、どうしてもピンチの時というのは訪れるわけで。会社でも個人でも困った時に、支援というか、お互い支え合えるかっていうのが大事だと思うんです。

やっぱりそういう形で「従業員をしっかりと守る」「会社として従業員の皆さんの生活を守る」っていうことを根底に据えています。

ピンチを乗り越えこれまでの信頼感がさらに強くなっていった

ーその経験を経て会社として何か変化はありましたか?

従業員の会社に対しての意識が変わったっていうのはありますね。

厳しい状況の中でも、会社として給料を100%保証して、赤字ではありましたが賞与も出してということをやったわけですが、従業員から「赤字なのにボーナス払って大丈夫なんですか??」「会社は本当に大丈夫か?」なんて心配の言葉が出たりしました。

でも、逆に今までお互い信頼し合っていたものが、より上乗せで強くなったっていうのはすごく感じますね。

求めているのは明るく前向きで積極的に何かチャレンジできる人材

ー一緒に働きたい人はどんな人ですか?

やっぱり明るくて、前向きに物事を考えて、周りの人とコミュニケーションをしっかり取って、力を合わせてやっていける人ですかね。あとは積極的に何かチャレンジしたりとかっていう人も富士ゴム工業に欲しい人材です。

ー逆にこういう人はうちは合わないんじゃないかなっていう人は?

自己主張が強い人。自己主張が強いというか、悪い意味で自己中な人は合わないでしょうね。自己主張すること自体はいいんですけど、ちゃんと周りを見て、協調性も持った中での自己主張でないのは厳しいと思います。

採用面接の最終的な段階で同席させてもらうことが多いんですけど、そういう時も、人となりであったり、周りの人とコミュニケーションが取れるのかとか、しっかり自分の意見を言えるのかとかはチェックしていますね。

あとは素直さですかね。頑固一辺倒な人はうちには正直向いてないと思いますよ。

富士ゴムで働くすべての従業員が幸せになることが一番

ー今後のビジョンを教えてください

特に大きなことは考えていないですけど、でも私に関わってる人たちに喜んでもらえるような生き方をしていきたい。

だから、それは人もあるし、太田市で事業をやってるから、やっぱり市から喜んでもらえるような事業活動・地域貢献をしていきたいですね。

一番は『富士ゴム工業で働くすべての従業員が幸せになること』ですね。

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